サザンオールスターズのボーカル、桑田佳祐さんは僕が尊敬するミュージシャンの一人です。
テレビで見るだけだった頃は声質のクセがすごいと敬遠しがちだったのですが、サザンオールスターズのアルバムを一つ聴いてみてからは、曲によって見事に声色を使い分けている技術力などに感動し、そのクセも含めてとてもかっこいいと思うようになりました。
桑田佳祐さんといえばソロでも有名で2019年現在、全5枚のオリジナルアルバムが発表されています。そんな中、桑田ソロのオリジナルアルバムの中で僕が一番好きなのが「孤独の太陽」です。
桑田佳祐さんのソロ2ndアルバム、「孤独の太陽」の感想を綴ります。
アルバムの全体像
このアルバムは、全体的にアコースティックサウンドを前面に押し出しているのが最大の特徴でしょう。
それでもアルバムから感じ取れるロックンロールの気配に、「ロックは自由だ!」というような桑田さんからのメッセージを受け取りました。
アコースティックサウンドを中心としながら、各曲ごとに違った楽器構成なので、アコースティックギターのさまざな表情の移り変わりを楽しめること請け合いです。
また、桑田ソロだけでなくサザンオールスターズの作品まで含めて、どこか桑田さんの作品の中でも異質と言える歌詞世界もかなり注目のポイントですね。
個人としての桑田佳祐が見えてくるような、内省的歌詞が印象的で、多くの大衆に一度に向けた歌ではなく、「桑田佳祐」と「一人一人」が対峙できるような「孤独」な世界に魅了されてしまいました。
曲の感想
- 漫画ドリーム 4:52
- しゃアない節 4:10
- 月 4:47
- エロスで殺して(ROCK ON) 3:54
- 鏡 3:14
- 飛べないモスキート(MOSQUITO) 4:51
- 僕のお父さん 2:58
- 真夜中のダンディー 5:15
- すべての歌に懺悔しな!! 4:23
- 孤独の太陽 3:21
- 太陽が消えた街 4:35
- 貧乏ブルース 3:15
- JOURNEY 5:34
1曲目 漫画ドリーム
のっけから「誇張し過ぎた桑田佳祐」が炸裂する強烈なナンバー。
さらに、特筆すべきはアコーステックギターの強力すぎる牽引力。
ひたすらAメロ→Bメロを繰り返すこの曲の構成ですが、アコースティックギターと桑田佳祐節のコンビネーションが絶妙で飽きさせない作りになっています。
特に僕が好きなのは、「憐れ世の〜偏差値の魂」という歌詞の部分で、鬼気迫るギターストロークは必聴のかっこよさ。
2曲目 しゃアない節
桑田さんがバックに楽団を引き連れてこちらに行進してくるようなイメージが湧いてくるドラミングがかなり好きです。
5曲目 鏡
初聴き時、イントロのギター二本の絡みあいが織りなす幻想的な美しさに心を奪われてしまった曲。
美しいギターの音色をバックに、エフェクトがかかった桑田さんのボーカルが曲の雰囲気によく似合っている。聴く場面によってはハンカチ必須になるかもしれないと本気で思わせてくれた数少ない曲の1つ。
歌詞の内容からも、アルバムの核となるような曲であると推察しています。
アルバム中マイベスト
6曲目 飛べないモスキート(MOSQUITO)
アルバム中随一のキャッチーなメロディに乗せた良曲。
シンプルなアコースティックギターのストロークと軽快なスネアドラムのサウンドから受ける僕のイメージは、桑田さんがドライブ中に窓を開けて熱唱しているような画が思い浮かびます。
7曲目 僕のお父さん
孤独の太陽というアルバムのサウンド、雰囲気に最もマッチしていると思う、小品ながら重要な曲だと感じています。
9曲目 すべての歌に懺悔しな!!
エレキギターとアコースティックギターが両方主役をはるロックンロール。
サビ部分に入ってくる手拍子のリズムが心地よい。
2コーラス目からドラムが本格的に入ってきて曲を盛り上げてくれるのも大変良いです。
10曲目 孤独の太陽
桑田ソロを代表する曲「月光の聖者達(ミスター・ムーンライト)」に比肩する大名曲。
ここではアコースティックギターに加え、ストリングスやキーボード、ハーモニカなどの楽器によるバックの演奏が泣きのメロを最大限に引き立ててくれますね。
12曲目 貧乏ブルース
右チャンネルで裏拍を強調するエレキギターのバッキングと、左チャンネルでリードを担当するエレキギターの、バランスの良さが素晴らしい。
いつまでも聴いていられる名アレンジ。
13曲目 JOURNEY
ここで歌われる「旅立ち」とは…
それでも前を向こうと思い立たせる魂の名曲。
最後に
これでもかといろんな表情を見せてくれるアコースティックギターに、このアルバム特有の歌詞世界。
何より、鏡、孤独の太陽、そしてJOURNEYと、桑田さんの血肉からあふれ出したであろう琴線に触れる名曲がこれでもかと収録されているこのアルバムが名盤でないわけがないんです。
桑田佳祐「孤独の太陽」僕の絶対オススメの一枚でした。
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