ザラストオブアスパート2 感想

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ゲーム

前作「THE LAST OF US」のPS4リマスター版でラスアスを初めてプレイした時からもう数年経ったか。当時19歳だった僕はCERO:Zのゲームを買うことにも緊張していたことを思い出す。

ストーリーを全く知らずに始めた前作は、開始直後のジョエルとサラのプロローグの時点で物語に引き込まれて、そこから終始予想外な出来事が起こるストーリーと、その展開に合わせてプレイが変わる豊かなゲーム性、そして何よりジョエルとエリーが織りなす人間ドラマの虜になりました。

謎の感染者が大量発生して変わりはててしまった世界では、見知らぬ人間は敵。

そんな背景から、初対面の時はジョエルたちを敵として認識したエリーですが、その後始まったジョエルとの旅の中、二人で多くの悲しみやどんな危険も乗り越え、途中からは本当の親子のような絆が生まれた二人を見て、「こんな世界でも愛はある。その後の二人が生きていく世界が平和であったらいいな」と僕の中ではある意味ハッピーエンドで前作は幕を閉じました。

そんなことを思っていた中、パート2ではジョエルがやられた。それもエリーの目の前で。

…確かに前作でもクリッカーに噛まれたり、ブローターに顔を引き裂かれたり、火炎瓶で燃やされ、この世の終わりのような悲痛な叫びをあげたりしてジョエルがやられてしまった「IF」の世界は数知れず、僕はその度に「ここでジョエルがいなくなったらエリーはどうなるんだろう」とぼんやり考えていた。

一人で偵察に行ったジョエルが帰ってこなかったら…
人間の敵に囲まれて為す術もなくやられてしまったら…

そんな可能性はこのラストオブアスの世界なら十分ありえるわけで。

それでも、次の瞬間にジョエルは復活していて、気づいたら逆にどんな敵でも昇天させている。そんな「ダークヒーロージョエル」の活躍こそが正史で、ジョエルさんは誰にも負けない最強の主人公として僕の目には映っていた。

だからその瞬間、パート2でジョエルがやられた瞬間には涙が出た。僕の最強の主人公ジョエルさんが負けた。しかもエリーの目の前で、パート2になって急に現れた新キャラに…。
前作での二人の一年間の旅を知っている分、それにパート2を楽しみに待っていた分だけその事実は強烈で、そんな仕打ちがあっていいのかと人生でゲームをプレイしている中で初めて鼻水が出るほど盛大に泣いていた。

でも今作はそこから始まりました。
パート2のストーリーは、ジョエルの敵討ちとしてWLFメンバーに次々復讐を果たしていくエリーたちを描いていきますが、WLFの中で最後まで生き残っていたアビーが反撃として劇場まで襲撃しにきたと思ったとき、視点がアビーの過去へと切り替わります。

…ここまでラスアスをプレイしていてずっと、ジョエルやエリーたちが属する仲間側と、ファイアフライやWLFたちが属する敵側を描く「正義vs悪」の物語だと思っていましたが、その瞬間、アビーの視点へと切り替わった瞬間、THE LAST OF USで描いていたのが「正義vs正義」の物語であることに気づきました。
前作を考えても、自分を守るために街に閉じこもったビルや、ワクチン開発のために大事なエリーを失う覚悟をしたマーリーン、そして、自分の大事なエリーを守ったジョエルなど。
人によって様々な正義があり、自分以外の持つ正義とは基本的に敵対する関係性でした。
今作で初めてジョエルやエリー以外の立場、それもまさしくジョエルの正反対の「正義」を持っていると言えるアビーの視点に立ってみると、例えばエリーたちと戦っていたWLFのメンバーたちは一人一人が大切な仲間で、何よりジョエルのこれまでの正義こそが立場によっては悪に見えるという事実が浮かび上がったのです。

これまで何百人という人間を倒してきた過去を持つジョエルです。
その中で、無差別に攻撃を仕掛けているハンターたち・デビッドのような人間はともかく、前作のラストで倒した医者たちは無抵抗のままジョエルの手に掛けられたという事実はあります。その医者の娘であるというアビーがジョエルへの復讐心を燃やしていたということは、確かに納得できないとは言い切れない。とは思えました。

そこから、エリーが三日間を過ごしたのと同様にアビー視点のシアトルでの三日間を丁寧に描いたパート2。プレイヤーが両者の三日間を体験し終えると、時間はアビーが劇場を襲撃した時点まで戻り、そのままアビーを操作してまさかのボス「エリー」との対決になりますが、前作からこの物語を見てきたプレイヤーにとってはこの世界の中で最も戦いたくない相手です。敵対勢力の事情を丁寧に描くだけならまだしも、プレイヤーにとっての敵側だと思っていたキャラクターで主人公側を倒させる前代未聞の展開にはいろんな意味でしびれましたね。この時点でアビーも散々操作しているからその強さも知っているわけで、本当にエリーを倒してしまうんじゃないかという勢いで操作するのは辛かったけど、最終的には痛み分け。

エリーがやられてしまうストーリーだけは見たくありませんでしたが、両者の視点を知っている以上アビーがやられるのもどうなんだとは思っていたので、なんだかんだでこの結末にはホッとしたというのが一番ですが、ここで終わるようなラスアスではありませんでした。
アンチャ4のようにその後の平和な生活が描かれて終わるかと思っていた所に不穏な展開。あの時のジョエルがフラッシュバックしてエリーの日常を蝕んでいます。

あの時、「全員◯◯◯してやる」と叫んだエリーの感情は風化したりせず、トゲのように心に残り続けていること。
ジョエルのことを許せないと口では言っても、心の中では誰よりもジョエルのことを大切に想っていること。

前作で育まれたジョエルとエリーの人間愛・家族愛。それこそがTHE LAST OF USで描かれた大きなテーマでしたが、皮肉にもその深さに伴って今作のエリーの復讐心が大きなものになっているようでした。だからこそ今作はpart2。前作があってこそ今作の重みが増し、また、今作をプレイすることでTHE LAST OF USに潜んでいた裏のテーマが見えてくるようです。

ここからエリーの最後の復讐が始まりますが…

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